【 めぐりあい 】 について
最終章です。最初の「あるハワイの芸術家」でも主人公だったジェシーの今を書きたいと思いました。25歳の若い女性なのに過去ばかりを見ていて活き活きしてない。なのでまず彼女の恋愛を描きたいと思いました。
相手役のダニーは無愛想ですが内面はクリスに寄せています。クリスと似ているためにジェシーは惹かれ、心を開いていく。
しかしそれは、「クリスのことを話す」「説明する」というのが物語上必要だったからです。前3作の繰り返しになりますが、本作でも最低限触れないと作品として独立しない。
そのために「クリスに似てる人」「だから惹かれた」「それで話した」ということにしたかった。つまりストーリーのためにキャラクターを作ったわけです。
あとは「報道」についても少し書こうと思いました。ジェシーの仕事なので。
報道の必要さ、役立つこと。
それとは逆に、報道被害、強引な取材や切り取りで伝える醜悪さ。
これらもまたメインテーマの「物語について」に繋がります。
ストーリー運びで心がけたのは速さでした。
過去3作とテイストを変えたかったのがあります。同じ出来事を繰り返し見せる過去作はある意味重く、それを脱して軽いもの、速いもの、理屈でなく感じるものにしたかった。
内面描写は極力控え、小説は下書きで書いたシナリオにかなり近いと思います。
ラストでめざしたのは感動と爽快感。
しかし読後に「感動」に対して思うものがある、となっていれば作者としては本望です。
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