【 いつもそばに 】 について
キャラクターの中で一番影の薄かったトーマスにフォーカスした話です。
連作を始めた時に危惧した通り、ずいぶん長くなってます。4作中で一番長い。
キャラクターたちの心の動きを自然に見せるために前2作の出来事を大部分はずせず、総集編、再放送のような感じがあります。それは書く前からわかってました。
なのでとにかく速く、短く切りつようとしました。これ以上は削れない、というギリギリをめざしたつもりです。
しかし独立した面白さもないといけない。子供時代や青春時代のエピソードはそのため。
さらに前2作を読んだうえでも厭きないようにしないといけない。以前見た出来事の裏にこんな事情があったのか、という気づきのおもしろさ。
途中からファンタジーになって死者目線になりますが、それも類似の効果を狙ってます。この立場で目にすると以前見た出来事が違って見える。
それは最初の「あるハワイの芸術家」のテーマをさらに強めると思いました。
また、最終章への意図もありました。最終章はこれまでのように過去の繰り返しではなく、現在、そして未来の話です。
こういう死者の視点が今もこの出来事を見続けている、と感じながら最終章の「めぐりあい」を読まれたい、そのための布石でした。
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